空室対策・賃貸経営コラム|空室対策・価値向上を実現する賃貸経営パートナー|未来ネット

アパートに個人でWi-Fiを引く!工事の許可から開通までの完全ガイド

作成者: 株式会社未来ネット|2025.10.01

1. まずは管理会社・大家さんに「工事の許可」を取る

個人で光回線をアパートに引き込む際、最も重要で、かつ最初に行うべきことが、建物の所有者である大家さん、または管理会社から「回線工事の許可」を得ることです。これを怠って無断で工事を進めてしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。

なぜ許可が必要なのか?

光回線の導入工事では、建物の共用部から自室まで光ファイバーケーブルを引き込みます。その際、状況によっては壁に小さな穴を開けたり、ビスで金具を固定したりといった、建物に物理的な加工を伴う場合があるためです。アパートはあくまで大家さんの所有物であり、入居者が勝手に建物を傷つけることはできません。

許可を取る相手と手順

  1. 連絡先は「管理会社」が基本:
    • 物件の管理を管理会社に委託している場合がほとんどなので、まずは管理会社に連絡します。大家さんと直接契約している場合は、大家さんに連絡します。
  2. 伝えるべき内容:
    • 「現在住んでいる部屋で、個別に光回線の契約を考えており、その導入工事の許可をいただきたくご連絡いたしました」と、用件を明確に伝えます。
    • その際、「どの回線事業者(例:NTTのフレッツ光、auひかりなど)を導入したいか」も伝えられると、話がスムーズに進みます。
  3. 書面での許可(承諾書):
    • 口頭での許可だけでなく、可能であれば**「光回線導入工事承諾書」**のような書面に、大家さんや管理会社の署名・捺印をもらっておくと、後の「言った・言わない」のトラブルを防ぐ上で最も確実です。回線事業者によっては、この承諾書の提出を求められる場合もあります。

無断工事のリスク

もし許可なく工事を行った場合、賃貸借契約の**「善管注意義務違反」や、退去時の「原状回復義務」**を問われることになります。

  • 契約違反: 最悪の場合、契約解除の理由となる可能性もゼロではありません。
  • 原状回復費用: 開けた穴を元に戻すための補修費用や、違約金を請求される可能性があります。

「たかがネット回線」と軽く考えず、必ず正式な手順を踏んで許可を得ること。それが、快適なインターネットライフを送るための、社会人としての最低限のマナーであり、自分自身を守るための第一歩です。

2. 許可が出やすい物件・出にくい物件の特徴

光回線の工事許可を申請しても、全ての物件であっさりと許可が出るとは限りません。大家さんや管理会社の意向、そして建物の構造や状況によって、許可の出やすさには差があります。ここでは、どのような物件が許可を得やすく、また断られやすいのか、その特徴を解説します。

許可が出やすい物件の特徴

  • 過去に他の部屋で導入実績がある物件:
    • すでに他の入居者が光回線を引いている場合、共用部までの配線は完了していることが多く、工事もスムーズに進む可能性が高いです。大家さん側も導入に慣れており、許可のハードルは格段に下がります。**「他の部屋では導入されている方はいらっしゃいますか?」**と聞いてみるのは非常に有効です。
  • MDF(主配電盤)が設置されている集合住宅:
    • 比較的新しいマンションやアパートには、各通信会社の回線を引き込むためのMDF(主配電盤)という設備が備わっています。ここから各戸まで配管が通っていることが多く、建物に大きな傷をつけずに工事できるため、許可が出やすい傾向にあります。
  • 大家さん・管理会社のITリテラシーが高い:
    • インターネットの重要性を理解し、物件の資産価値向上に繋がると考えている大家さんであれば、前向きに検討してくれる可能性が高いです。

許可が出にくい・断られる可能性のある物件の特徴

  • 建物の美観を非常に重視している物件:
    • デザイン性の高いデザイナーズマンションなどで、外壁にケーブルや配管が露出することを嫌う大家さんの場合、許可が下りにくいことがあります。
  • 構造上、物理的に工事が困難な物件:
    • 築年数が非常に古い木造アパートなどで、壁の中に配線を通すスペースがなかったり、構造が複雑だったりして、工事自体が物理的に難しいと判断されるケースです。
  • 大家さんがインターネットに疎い・関心がない:
    • 高齢の大家さんなどで、インターネットの必要性をあまり感じておらず、「よく分からないから」「面倒だから」といった理由で許可を出さないケースもあります。

もし許可が下りなかった場合は、その理由をきちんと確認しましょう。もし美観の問題であれば、「配線が目立たないように最大限配慮する」といった条件を提示して再交渉する余地はあります。しかし、最終的な決定権は大家さんにあるため、許可が出ない場合は、「ホームルーター」など、工事不要の選択肢を検討することになります。

 

各お部屋からのお問合せや、外観への影響がでる…さらに後述する手続きや月額費用を考慮してネット設備付き物件を選ばれるご入居者様が年々増えています。ご物件の価値をあげるためにも全戸一括インターネット設備の導入は必須になってきています。

 

3. 自分のアパートで契約できる回線業者の探し方

工事の許可が得られたら、次に「自分のアパートでは、どの会社の光回線が利用できるのか」を調べるステップに進みます。光回線サービスは多数ありますが、どのサービスでも自由に契約できるわけではなく、お住まいのアパートがその回線の提供エリアに含まれ、かつ設備が対応している必要があります。

主な光回線の種類

まず、代表的な光回線の種類を把握しておきましょう。

  • フレッツ光(NTT東日本・西日本):
    • 日本全国をカバーする、最も普及している光回線です。提供エリアが非常に広いのが特徴です。
  • 光コラボレーション(光コラボ):
    • ドコモ光、ソフトバンク光、ビッグローブ光など、多くの事業者が提供しています。これらは、NTTのフレッツ光の回線網を借り受けて、独自のサービス(スマホとのセット割など)を付けて販売しているものです。フレッツ光が利用できるアパートであれば、基本的に全ての光コラボが利用可能です。
  • 独自回線:
    • auひかり (KDDI)NURO光 (So-net) など、NTTとは異なる独自の回線網を使ってサービスを提供している事業者です。高速通信を売りにしていることが多いですが、提供エリアはフレッツ光に比べて限定的です。

対応回線の探し方

自分のアパートでどの回線が使えるかは、各事業者の公式サイトで簡単に確認できます。

  1. 各事業者の「提供エリア検索」ページにアクセス:
    • 「ドコモ光 エリア確認」「NURO光 提供エリア」などと検索し、公式サイトのエリア検索ページを開きます。
  2. 郵便番号と住所を入力:
    • 画面の指示に従い、お住まいのアパートの郵便番号、住所、建物名、部屋番号まで正確に入力します。
  3. 判定結果を確認:
    • 「〇(提供エリアです)」「×(提供エリア外です)」といった判定結果が表示されます。

効率的な探し方のコツ

  • まずは「フレッツ光」または「光コラボ」から調べる:
    • 提供エリアが最も広いため、最初にNTT系の回線が利用可能かを確認するのが効率的です。もし利用可能であれば、選択肢は非常に多くなります。
  • 複数の独自回線もチェックする:
    • auひかりやNURO光は、もし提供エリア内であれば、非常に高速で魅力的な選択肢です。諦めずにそれぞれのサイトで確認してみましょう。
  • 管理会社に確認する:
    • 工事許可をもらう際に、「ちなみに、こちらのアパートでは過去にどの回線会社の導入実績がありますか?」と聞いてみるのも良い方法です。実績のある回線であれば、スムーズに導入できる可能性が高いです。

この段階で、最低でも2〜3社の利用可能な回線事業者をリストアップし、それぞれの料金プランやキャンペーンなどを比較検討していくのが、賢い進め方です。

4. 光回線・ホームルーター・モバイルWi-Fi、どれを選ぶ?

快適なインターネット環境を整える方法は、工事が必要な「光回線」だけではありません。工事不要で手軽に始められる「ホームルーター」や「モバイルWi-Fi」という選択肢もあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分のライフスタイルや求める通信品質に最も合ったものを選びましょう。

① 光回線

  • 特徴: 自宅まで光ファイバーケーブルを引き込み、有線またはWi-Fiで接続。
  • メリット:
    • 通信速度と安定性が圧倒的に高い: 大容量のデータ通信や、複数人での同時利用、オンラインゲームなど、速度と安定性を最も重視するなら一択。
    • データ容量が無制限: どれだけ使っても速度制限がかかる心配がない。
  • デメリット:
    • 開通工事が必要: 大家さんの許可と、工事の立ち会いが必要。申し込みから開通まで1ヶ月以上かかることも。
    • 月額料金が比較的高め

② ホームルーター

  • 特徴: 工事不要。コンセントに挿すだけで、携帯電話会社の電波(4G/5G)を受信してWi-Fi環境を構築。
  • メリット:
    • 工事不要で即日利用可能: 端末が届けば、コンセントに挿すだけですぐに使える。大家さんの許可も不要。
    • 引越しが楽: 引越し先でも、コンセントに挿せばそのまま使える(住所変更手続きは必要)。
  • デメリット:
    • 通信速度・安定性は光回線に劣る: 電波で通信するため、建物の構造や周辺環境、時間帯によって速度が不安定になることがある。
    • データ容量に制限がある場合も: プランによっては、一定期間に大量のデータを使うと速度制限がかかることがある(近年は無制限プランも増加)。

③ モバイルWi-Fi(ポケットWi-Fi)

  • 特徴: 手のひらサイズの小型端末で、外出先でもWi-Fiが利用できる。
  • メリット:
    • 持ち運び可能: 自宅だけでなく、外出先のカフェや移動中の電車内でもPCやタブレットをネットに繋げる。
    • 工事不要で手軽
  • デメリット:
    • 通信速度・安定性は3つの中で最も低い: 主に単独での利用を想定しており、複数人での同時接続や大容量通信には向かない。
    • データ容量の制限が厳しい: 月間のデータ容量に上限が設けられているプランが多い。
    • バッテリーの充電が必要

どれを選ぶべき?判断基準

  • オンラインゲームや高画質動画、在宅ワークを快適に行いたい: 光回線
  • 工事はしたくないが、自宅で安定したネット環境が欲しい: ホームルーター
  • 外出先での利用がメインで、自宅ではあまり使わない: モバイルWi-Fi

光回線の工事許可が下りなかった場合の代替案として、また転勤が多いなど短期的な利用を考えている場合には、ホームルーターが非常に有力な選択肢となります。

5. 申し込みから工事日確定までの流れ

利用したい光回線事業者が決まったら、いよいよ申し込みの手続きに進みます。申し込みから実際にインターネットが使えるようになる(開通する)までには、いくつかのステップがあり、通常1ヶ月〜2ヶ月程度の期間がかかることを念頭においておきましょう。特に、引越しシーズンである3月〜4月は申し込みが殺到し、さらに時間がかかる場合があります。

【STEP 1】ウェブサイトや店舗での申し込み

  • 申し込み窓口:
    • 公式サイト: 各回線事業者の公式ウェブサイトから申し込むのが最も確実です。
    • 代理店サイト: キャッシュバックなどの特典が豊富な代理店のウェブサイト経由で申し込む方法もあります。
    • 家電量販店: 家電量販店のカウンターで、スタッフと相談しながら申し込むこともできます。
  • 必要な情報: 契約者の氏名、住所、連絡先、支払い方法(クレジットカード情報など)を準備しておきましょう。
  • キャンペーンの確認: 申し込み時には、「工事費実質無料」や「高額キャッシュバック」といったキャンペーンが行われていることがほとんどです。適用条件などをよく確認し、お得な窓口を選びましょう。

【STEP 2】申し込み内容の確認と本人確認

  • 申し込み後、数日以内に事業者から電話やSMSで連絡があり、申し込み内容の確認や、運転免許証などによる本人確認が行われます。

【STEP 3】工事日の調整

  • 申し込み内容が確定すると、次は工事日を決めるための連絡が来ます。事業者側から、工事が可能な候補日をいくつか提示されるので、自分の都合の良い日を選びます。
  • 希望日が埋まっていることも: 工事業者のスケジュールは混み合っていることが多く、特に土日祝日は人気が集中するため、希望日が数週間先になることも珍しくありません。申し込みは、利用開始希望日から逆算して、できるだけ早めに行うのが鉄則です。

【STEP 4】工事日確定の通知と事前準備

  • 工事日が正式に確定すると、書面やメールで「開通のご案内」といった通知が届きます。ここには、契約内容や、接続に必要なID・パスワードなどが記載されているため、開通まで大切に保管しておきましょう。
  • また、Wi-Fiルーターが事業者からレンタルされる場合は、工事日の数日前に自宅に届きます。

この流れを理解し、時間に余裕を持って行動することが、スムーズなインターネット開通の鍵となります。

6. Wi-Fi工事当日の立ち会いは必要?所要時間は?

工事日が決まったら、当日の流れを把握しておきましょう。光回線の開通工事では、多くの場合、契約者本人または代理人(家族など)の立ち会いが求められます。作業員が室内に入って作業を行うため、誰もいない状態で工事を進めることはできません。

工事の立ち会いは原則「必要」

  • 理由:
    • 作業員が共用部から引き込んだ光ファイバーケーブルを、室内に引き込む作業があるため。
    • 室内のどこに光コンセント(光回線の差込口)を設置するか、位置の確認と同意を求められるため。
    • 最終的に、持参した専用機器を使って、光信号が正常に届いているかを開通テストするため。
  • 所要時間:
    • 建物の状況によって大きく異なりますが、一般的な目安は1時間〜2時間程度です。
    • すでに共用部まで光回線が来ている(過去に他の部屋で契約があったなど)場合は、室内作業のみとなり、30分〜1時間程度で終わることもあります。
    • 逆に、建物に一から回線を引き込む場合は、2時間以上かかることもあります。当日は、時間に余裕を見てスケジュールを空けておきましょう。

立ち会い時のポイントと注意点

  • 本人確認: 工事開始時に、運転免許証などで契約者本人であるかの確認を求められる場合があります。
  • 設置場所の相談:
    • 光コンセントの設置場所は、Wi-Fiルーターを置きたい場所や、PCなどを有線で繋ぎたい場所の近くにするのが理想です。
    • 「テレビの裏に隠したい」「この家具の横が良い」など、希望があれば遠慮なく作業員に相談しましょう。建物の構造上、可能な範囲で対応してくれます。
  • 室内を片付けておく:
    • 作業員がスムーズに作業できるよう、ケーブルを通すルート上や、コンセント周りなどを事前に片付けておくと親切です。
  • 賃貸物件であることの再確認:
    • 念のため、作業員に「賃貸物件なので、壁への穴あけなどは事前に管理会社の許可を得ています」と伝えておくと、より丁寧で安心です。

工事の立ち会いは、面倒に感じるかもしれませんが、自分の希望通りの場所に設備を設置してもらい、確実にインターネットを開通させるための重要なプロセスです。不明な点があれば、その場で作業員に質問するようにしましょう。

7. 壁に穴を開ける?開けない?工事内容の確認

光回線の工事と聞いて、多くの人が心配するのが「壁に穴を開ける必要があるのか?」という点でしょう。賃貸物件である以上、建物へのダメージは最小限に抑えたいものです。結論から言うと、穴あけが必要なケースと不要なケースがあります。

穴あけが「不要」なケース

多くのアパート・マンションでは、以下のいずれかの方法で、壁に穴を開けずにケーブルを室内に引き込むことができます。

  • 1. 電話線の配管を利用する:
    • 室内に既設の電話線のモジュラージャック(差込口)の配管を使い、そこに光ファイバーケーブルを通して引き込む方法。最も一般的で、建物へのダメージが全くない方法です。
  • 2. エアコンのダクト(配管用の穴)を利用する:
    • エアコンが設置されている場合、室内機と室外機を繋ぐための配管用の穴(ダクト)が壁に開いています。このダクトの隙間に光ファイバーケーブルを通して引き込む方法です。これも、新たの穴を開ける必要はありません。
  • 3. すでに光コンセントが設置されている:
    • 前の入居者が光回線を利用しており、すでに室内に光コンセントが設置されている場合があります。この場合は、共用部での簡単な接続作業のみで完了し、室内での工事は不要(無派遣工事)となることもあります。

穴あけが「必要」になるケース

上記のいずれの方法も使えず、やむを得ず壁に穴を開ける必要があるのは、以下のような限定的なケースです。

  • 建物の構造上、配管やダクトが利用できない。
  • 配管の中が古いケーブルなどで詰まっていて、新しいケーブルを通せない。

この場合でも、開ける穴は直径1cm程度の非常に小さなものです。工事の前には、必ず作業員から「この場所に、このくらいの大きさの穴を開けてもよろしいでしょうか?」という確認と説明があります。勝手に穴を開けられることは絶対にありません。大家さんから事前に許可を得ていることを伝え、了承した上で作業を進めてもらいましょう。

美観への配慮

ケーブルを室内に引き込んだ後、壁に固定する必要がある場合も、画鋲の穴より小さいピンで留めるなど、できるだけ建物を傷つけず、退去時の原状回復が容易な方法で施工してもらうよう、作業員にお願いすることも可能です。

工事内容は、申し込み後や工事日調整の際に、ある程度事前に確認することができます。不安な点があれば、遠慮なく事業者に問い合わせて、自分のアパートではどのような工事が想定されるのかを把握しておきましょう。

8. 開通後にやるべきWi-Fiルーターの初期設定

工事が完了し、光コンセントが設置されただけでは、まだスマートフォンやPCでWi-Fiを使うことはできません。最後に、Wi-Fiルーターを接続し、初期設定を行う必要があります。少し難しく感じるかもしれませんが、最近のルーターは設定が非常に簡単になっています。

準備するもの

  • Wi-Fiルーター: 事業者からレンタルしたものか、自分で購入したもの。
  • LANケーブル: Wi-Fiルーターに付属していることが多いです。
  • スマートフォンまたはPC: 設定作業に使用します。
  • 接続用のIDとパスワード: 事前に事業者から送付された「開通のご案内」などの書類に記載されています。

基本的な設定手順

  1. 機器の接続:
    • まず、壁の光コンセントと、ONU(またはHGW)という黒い箱のような機器(光信号をデジタル信号に変換する装置)を光ケーブルで接続します。(これは工事の際に作業員がやってくれる場合が多いです)
    • 次に、そのONUと、Wi-Fiルーターの「WAN」と書かれたポート(差込口)を、LANケーブルで接続します。
    • 最後に、ONUとWi-Fiルーターの両方の電源アダプタをコンセントに差し込み、電源を入れます。
  2. ルーターの管理画面にアクセス:
    • スマホやPCのWi-Fi設定画面を開き、Wi-Fiルーター本体の側面や裏面に記載されているSSID(ネットワーク名)を探して接続します。その際に必要な初期パスワードも、同じくルーター本体に記載されています。
    • Wi-Fiに接続できたら、ウェブブラウザ(ChromeやSafariなど)を開き、アドレスバーにルーターの説明書に書かれているIPアドレス(例:192.168.1.1など)を入力して、管理画面にアクセスします。
  3. プロバイダ情報(ID/パスワード)の入力:
    • 管理画面が開いたら、設定ウィザードなどの指示に従い、事業者から送られてきた書類に記載されている「接続ID(認証ID)」「パスワード」を入力します。
    • これを入力し、保存・適用することで、初めてインターネットの世界に接続されます。
  4. Wi-Fiの名前(SSID)とパスワードの変更:
    • セキュリティを高めるため、初期設定のままでなく、自分だけのWi-Fiの名前(SSID)と、推測されにくい複雑なパスワードに変更することを強く推奨します。

最近では、専用のスマホアプリを使って、QRコードを読み取るだけで上記の設定が完了するような、簡単なルーターも増えています。分からなければ、ルーターの説明書をよく読んだり、契約しているプロバイダのサポートセンターに電話したりすれば、教えてくれます。

9. 工事費と月額料金、費用のすべて

光回線を導入・利用するには、主に「初期費用(工事費など)」「月額料金」の2種類の費用がかかります。契約する事業者やプラン、キャンペーンによって金額は大きく異なるため、トータルでいくらかかるのかを正確に把握しておくことが重要です。

初期費用

  • 契約事務手数料:
    • どの事業者で契約しても、初回にかかる手数料です。相場は3,300円(税込)程度です。
  • 開通工事費:
    • 光回線を部屋まで引き込むための工事費用です。建物の状況によって異なり、一般的な相場は15,000円〜40,000円程度と、決して安くはありません。
      【重要】工事費実質無料キャンペーン: 多くの事業者が、この高額な工事費の負担を軽減するため、「工事費実質無料」キャンペーンを実施しています。これは、工事費を24回や36回などの分割で支払い、その分割払い額と同額を毎月の利用料金から割り引くことで、最終的に工事費の負担がゼロになる、という仕組みです。
      • 注意点: このキャンペーンは、分割払いが終わる前に解約してしまうと、工事費の残債を一括で請求されるというデメリットがあります。契約期間の縛りと密接に関わっているため、注意が必要です。

月額料金

  • 料金の構成:
    • 月額料金は、回線を利用するための「回線使用料」と、インターネットに接続するための「プロバイダ料」が合わさったものです。光コラボ事業者の場合は、これらが一体となった料金プランがほとんどです。
  • 料金相場:
    • アパート・マンションタイプ: 月額4,000円〜5,500円(税込)程度が相場です。戸建てタイプよりも安く設定されています。
  • 料金を左右する要素:
    • 事業者: どの会社を選ぶかによって、料金は数百円〜千円程度異なります。
    • スマホとのセット割: ドコモ、au、ソフトバンクなどの携帯キャリアを使っている場合、その系列の光回線(ドコモ光、auひかり、ソフトバンク光)を選ぶと、毎月のスマホ代が最大1,100円程度割引になります。これは非常に大きなメリットであり、回線選びの重要な決め手となります。
    • 契約期間: 1年、2年といった契約期間の縛りがあるプランの方が、縛りのないプランよりも月額料金は安く設定されています。

契約前には、必ず「事務手数料」「工事費(と、その割引キャンペーンの詳細)」「月額料金(と、スマホセット割の適用可否)」の3点をトータルで計算し、2年や3年といったスパンで、どの事業者が最もお得になるのかをシミュレーションすることが、賢い選択に繋がります。

 

ここまでの手続きをの手間や、月々の出費を抑えるために、お建物の設備として「インターネット設備」がついている物件と契約することをお勧めします。ご入居後お手続き不要ですぐに使用でき、契約期間の縛りもないため安心して使用することができます。また、未来ネットの「インターネット設備」なら、24時間障害受付で使用方法などのご相談もフリーダイヤルより受け付けております。

10. 退去時の撤去義務と原状回復について

アパートに個人で光回線を引いた場合、将来その部屋を退去する際にどうすれば良いのか、という点も事前に理解しておく必要があります。「回線設備をどうするか」は、原状回復義務に関わる重要な問題です。

回線設備の撤去は必要か?

  • 原則:「次の人のために残しておく」のが一般的:
    • 光コンセントなどの回線設備は、次の入居者も利用できる可能性が高く、物件の付加価値にもなり得るため、大家さんや管理会社からは「そのまま残していってください」と言われるケースがほとんどです。
    • この場合、あなたは回線事業者に対して「解約」の手続きをするだけで、設備の撤去工事などは不要です。
  • 撤去を求められるケース:
    • ごく稀に、大家さんの意向で「導入した設備は全て撤去して、入居前の状態に戻してください(原状回復)」と求められる場合があります。
    • この場合、回線事業者に解約を申し出る際に、「設備の撤去も希望する」と伝え、撤去工事を依頼する必要があります。

撤去工事の費用

  • もし撤去工事が必要になった場合、その費用は契約者が負担するのが一般的です。費用は事業者によって異なりますが、10,000円〜30,000円程度かかる場合があります。

退去時のトラブルを防ぐために

こうした退去時の予期せぬ出費やトラブルを防ぐために、以下の2点が非常に重要です。

  1. 【入居時】工事許可の際に、退去時の扱いを確認する:
    • 最初に大家さん・管理会社から工事の許可を得る際に、「退去の際は、この回線設備は撤去した方がよろしいでしょうか、それとも残しておいて構いませんか?」と、一言確認しておきましょう。
    • 可能であれば、その回答を「光回線導入工事承諾書」などの書面に一筆書き添えてもらうと、最も確実な証拠となります。
  2. 【退去時】解約手続きは早めに行う:
    • 光回線の解約は、申し出てすぐに完了するわけではありません。月の途中で解約しても、1ヶ月分の料金がかかる場合が多いです。
    • 引越し日が決まったら、最低でも1ヶ月前には回線事業者に連絡し、解約の予約手続きを進めましょう。

入居時の「許可」と、退去時の「原状回復」。この二つをセットで考え、事前にルールを明確にしておくことが、最後まで気持ちよく賃貸アパートで暮らすための重要な心得です。