CATV(同軸ケーブル)は、その名の通りテレビ放送を届けるために設計された配線です。 外部からの電磁波(ノイズ)の影響を受けにくく、広範囲に安定して映像を届けられるという優れた特性を持っています。
しかし、大容量データ通信が前提となる現代のインターネット利用においては、その仕組みが弱点となりがちです。
電気信号と光信号の違い: 光回線が「光信号」で瞬時に膨大なデータを運ぶのに対し、同軸ケーブルは「電気信号」でデータを送受信します。一度に運べるデータ量(情報密度)の違いから、どうしても通信速度(理論値)が遅くなる傾向にあります。
「上り」と「下り」のアンバランス: テレビ放送(受信=下り)を主目的としているため、データ送信(上り)に割り当てられる帯域が狭く設計されています。
そのため、現在の入居者が求める「高画質な動画のアップロード」や「双方向のWEB会議」といった用途に対し、従来のスペックでは対応しきれないケースが増えているのです。
動画視聴などの「下り」は、ある程度スムーズでも現在の入居者は「発信(上り)」を多用しています。
WEB会議(Zoom・Teams): 自分の映像や音声が相手に届かずに途切れる。
SNS・クラウド: 写真や動画のアップロードが遅い、終わらない。
オンライン授業・就職活動: 肝心な面接などで接続が不安定になる。
CATV物件で「ネット無料」と謳っていても、入居者が速度に満足できず、個人で光回線を契約してしまうケースが増えています。これはオーナー様が提供している設備が「入居者ニーズと乖離している」サインと言えます。
CATVの多くは、1戸あたりの「戸当たり契約」が基本です。ここで見落としがちなのが、「入居者がテレビを見る・見ないに関わらず、全戸分のコストが発生している」点です。
スマホやプロジェクターで動画配信サービス(Netflix等)を見る層が増えた今、テレビを利用しない入居者の分まで、高額な視聴料を支払い続ける構造は、経営上のロスと言わざるを得ません。
速度に不満を持った入居者が個別に光回線を契約すると、「壁の穴あけ」や「共用部での無断工事」といったトラブルの元になります。
オーナー様にとっては「無料ネット設備費を払っているのに、入居者はさらに自費を払っている」という、非常に効率の悪い状況(二重コスト)が発生してしまいます。
光回線+LAN配線方式+「光テレビ」という選択
「CATVを解約したらテレビが見られなくなる」というのは誤解です。現在は、インターネットの光回線を使って地デジ・BSを視聴する「光テレビ」が普及しています。
建物共用部まで引き込んだ光回線を、LANケーブルで各部屋へ分配します。
各部屋まで光ファイバーを通す「光配線方式」に比べ、既存の配管を利用しやすいため工事コストを大幅に抑えつつ、最大1Gbpsクラスの安定した通信を提供できます。
これがコスト削減の最大の鍵です。
CATV: 各戸ごとに「TV代+ネット代」が発生(戸数が多ければ高額)。
光テレビ: 建物全体で一括契約。
契約を「戸当たり」から「建物一括」に切り替えるだけで、通信品質を向上させつつ、月額コストは3割〜5割削減できるケースも少なくありません。いわゆる「通信のボリュームディスカウント」が効くようになるのです。
ケーブルテレビの受信料が負担になっていたオーナー様より、光テレビとネット切替を行い月額費用の削減につながった事例はこちらから確認できます。
1件のクレームは氷山の一角です。
言わずに不満を抱え、更新を機に退去する入居者も多くいます。
長期契約の縛りが解けるタイミングは、コスト構造を根本から見直す絶好のチャンスです。
修繕などで配管の調査、また別の設備導入も一緒に依頼をすることで工事費用をさらに圧縮できます。
ポータルサイト(SUUMO等)で検索条件として必ずチェックされるのが「インターネット無料」です。さらに備考欄に「高速LAN配線(1Gbps対応)」と明記できることは、周辺の競合物件に対する強力な差別化になります。
月額のランニングコストが下がることは、そのままキャッシュフローの改善に直結します。通信費の削減分で、将来の修繕費を積み立てることも可能です。
通信設備は、今や電気・水道・ガスに次ぐ「第4のインフラ」です。同軸ケーブルからLAN配線へのアップグレードは、物件の耐用年数ならぬ「入居者ニーズ耐用年数」を10年延ばす先行投資と言えます。
CATV(同軸ケーブル)は、放送インフラとしては優秀な設備です。
しかし、通信速度とコストパフォーマンスが重視される現在の賃貸経営においては、最適解とは言えなくなりつつあります。
『TVも含めて切り替えることで、 通信品質を上げながら月額を下げる方法がある』
この事実を知っているかどうかで物件の競争力は大きく変わります。
まずはお気軽にご相談ください。