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内見時の必須チェック項目!アパートの防犯カメラで見るべきポイント

作成者: 株式会社未来ネット|2026.01.15

1. まず確認すべきは防犯カメラの「数」と「設置場所」

内見が始まったら、まず意識すべきは防犯カメラの「数」と「設置場所」です。これは、その物件のオーナーや管理会社が、セキュリティに対してどれだけコストと意識をかけているかを測る、最も分かりやすい指標となります。

「数」が示すセキュリティ意識の高さ

単純な話ですが、防犯カメラの設置台数が多ければ多いほど、それだけ多くの費用と手間をかけている証拠です。

  • 1台だけの場合: エントランスにポツンと1台だけ、という場合は最低限の対策と言えます。ないよりはマシですが、セキュリティ意識が高いとまでは言えません。
  • 複数台ある場合: エントランス、駐車場、廊下、エレベーター内など、複数の重要箇所に設置されている場合は、物件全体の安全性を高めようという明確な意図が感じられます。これは大きな安心材料となります。

「設置場所」が示す防犯設計の巧拙

数が多くても、設置場所が的確でなければ意味がありません。カメラがどこに、どの方向を向いて設置されているかを見ることで、その防犯設計が「素人考え」か「プロの設計」かを見抜くことができます。

  • 効果的な設置場所:
    • 人の出入りが必ずあるエントランス
    • 不審者が侵入しやすい駐車場や駐輪場
    • 密室となりやすいエレベーター内部
    • 不法投棄などのトラブルが起きやすいゴミ捨て場
    • 建物の裏手など、人目につきにくい死角
  • 意味のない設置場所:
    • ただ空を映している、隣の建物の壁しか映っていないなど、意図の分からない場所に設置されている場合は、防犯への理解が低い可能性があります。

内見時には、部屋の中だけでなく、建物全体をぐるりと一周し、「自分ならどこにカメラを設置するか?」と考えながら、カメラの数と位置を自分の目で確かめることが、物件のセキュリティレベルを見極める第一歩です。

2. エントランス・駐輪場・ゴミ捨て場は最重要エリア

アパートの敷地内には、特に犯罪やトラブルが発生しやすい「三大ホットスポット」が存在します。それは「エントランス」「駐輪場」「ゴミ捨て場」です。これらの最重要エリアに防犯カメラが的確に設置されているかは、必ず確認すべき必須項目です。

① エントランス:全ての出入りの起点

  • 役割: 不審者の侵入を水際で防ぎ、居住者以外の人物の出入りを記録する、防犯の最重要拠点です。
  • チェックポイント:
    • ドアの内側と外側の両方に設置されているか?: 外側は侵入しようとする人物を、内側は「共連れ」などで侵入した人物を記録するために重要です。
    • 顔がはっきり映る高さと角度か?: 高すぎたり、逆光になったりする位置では、人物の特定が困難になります。訪問者の顔が自然に映るような位置にあるのが理想です。

② 駐輪場・駐車場:資産が狙われる場所

  • 役割: 大切な自転車やバイク、自動車を盗難やいたずらから守ります。車上荒らしの抑止にも繋がります。
  • チェックポイント:
    • エリア全体を広く見渡せているか?: 特定の場所だけでなく、駐輪場や駐車場全体を俯瞰して撮影できる広角カメラが設置されているのが理想です。
    • 出入り口を確実に捉えているか?: 犯行車両や人物の出入りを確実に記録するため、敷地への出入り口を映すカメラは不可欠です。

③ ゴミ捨て場:ルール違反と不法投棄の温床

  • 役割: 24時間ゴミ出し可能な物件が増える中で、部外者による不法投棄や、入居者によるルール違反(分別の間違い、粗大ゴミの放置など)を防ぎ、衛生環境と住環境の質を保ちます。
  • チェックポイント:
    • ゴミ捨て場全体と、その周辺道路が映るか?: 誰が、いつ、何を捨てたかを記録できるだけでなく、車で乗り付けて不法投棄する部外者を記録するためにも、周辺までカバーしていると効果的です。

これらのエリアは、単に「犯罪」を防ぐだけでなく、日々の「トラブル」や「マナー違反」を抑制し、住環境全体の快適さを維持するためにも、カメラによる監視が非常に有効です。内見時には、必ずこれらの場所へ足を運び、自分の目でカメラの存在を確認してください。

3. カメラは本物?ダミーカメラを見抜くコツ

「防犯カメラ付き」と謳っていても、中にはコスト削減のために、録画機能のない「ダミーカメラ」を混ぜて設置しているケースがあります。素人には一定の威嚇効果がありますが、プロの犯罪者には簡単に見破られてしまいます。内見時に、それが本物かダミーかを見抜くためのポイントを紹介します。

【チェックポイント1】配線ケーブルの有無

これが最も分かりやすい見分け方です。

  • 本物: カメラ本体からは、必ず電源供給や映像信号伝送のためのケーブルが伸びており、壁の中や配管(PF管)にきれいに収められています。
  • ダミー: ケーブルが全くないか、あってもカメラ本体から数センチ伸びただけで、どこにも接続されずにぶら下がっているなど、配線が不自然です。

【チェックポイント2】LEDランプの点滅パターン

ダミーカメラは「作動しているフリ」をするために、わざとらしくLEDを点滅させることが多いです。

  • 本物: 本物の業務用カメラでは、常時赤色LEDが点滅する機種はむしろ少数派です。夜間撮影用の赤外線LEDは搭載されていますが、これは昼間には点灯せず、点灯しても肉眼ではほとんど見えません。
  • ダミー: 「いかにも作動中」と見せかけるために、昼間から赤色LEDが常にチカチカと点滅していることが多いです。特に、太陽光で発電して点滅させているようなタイプは、ダミーである可能性が極めて高いです。

【チェックポイント3】本体の質感とレンズの作り

細部をよく見ると、作りの違いが分かります。

  • 本物: 風雨に耐えられるよう、しっかりとした筐体(ハウジング)に収められています。レンズ部分は、奥にカメラの機構が見える、奥行きのある本物のガラスレンズが使われています。
  • ダミー: 全体的にプラスチック製で、安っぽい質感が漂っています。レンズ部分も、奥行きのないただの黒いプラスチック板であったり、シールが貼られているだけであったりします。

【チェックポイント4】メーカーのロゴ

  • 本物: Panasonic, AXIS, HIKVISIONなど、信頼のおけるセキュリティ機器メーカーのロゴが本体に印字されていることが多いです。
  • ダミー: ロゴが全くないか、聞いたことのないようなメーカー名が記載されています。

ダミーカメラは「何もないよりはマシ」程度の効果しかありません。万が一の際に証拠能力がゼロであることを考えれば、本物のカメラがしっかりと設置されている物件を選ぶべきです。内見時には、これらのポイントを頭に入れて、さりげなくチェックしてみてください。

4. 夜間でも映る?赤外線機能の有無を確認する方法

犯罪は、人目につきにくい夜間に多く発生します。そのため、防犯カメラが夜間の暗闇でも、人物を識別できるレベルで鮮明に撮影できるかどうかは、セキュリティレベルを左右する非常に重要な要素です。この夜間撮影の鍵を握るのが「赤外線機能」です。

赤外線カメラの仕組み

赤外線カメラは、人間の目には見えない「赤外線」を被写体に照射し、その反射を捉えて映像化する仕組みです。これにより、肉眼では真っ暗な場所でも、白黒の映像として状況をはっきりと映し出すことができます。

赤外線機能の有無を見分ける方法

内見時に、そのカメラに赤外線機能が付いているかを見分ける、簡単な方法があります。

  • レンズ周りのLEDライトを確認する:
    • カメラのレンズの周りをよく見てください。そこに、小さなLEDライトがたくさん(数個〜数十個)円形に配置されていれば、それは赤外線暗視機能付きのカメラである可能性が非常に高いです。
    • このLEDは、日中の明るい時間帯は消灯しており、周囲が暗くなるとセンサーが感知して自動的に赤外線を照射(点灯)します。
  • 「Day&Night」カメラかどうかを聞く:
    • カメラ本体に「Day&Night」や「IR(Infraredの略)」といった表記があれば、赤外線機能付きです。
    • 見た目で判断がつかない場合は、不動産会社の担当者に「こちらのカメラは、夜間でも撮影できる赤外線機能(デイナイト機能)付きですか?」と、専門用語を交えて質問してみましょう。的確に答えられれば、管理会社がセキュリティについてきちんと把握している証拠にもなります。

低照度カメラとの違い

赤外線を使わず、わずかな光(星明かりや街灯の光など)を増幅してカラーで撮影する「超低照度カメラ(スターライトカメラなど)」もあります。これは非常に高性能ですが、まだ高価なため、一般的なアパートで採用されているケースは稀です。

内見時にチェックすべきは、「最低限、赤外線機能が付いているか」という点です。これがなければ、夜間の防犯能力は著しく低下すると言わざるを得ません。レンズ周りのLEDの有無は、簡単かつ確実なチェックポイントなので、ぜひ覚えておきましょう。

5. カメラの画質は十分か?解像度をさりげなく聞く

せっかく防犯カメラが設置されていても、録画された映像の画質が悪く、犯人の顔や車のナンバーがぼやけていては、証拠としての価値が半減してしまいます。カメラの「画質(解像度)」は、万が一の際に犯人を特定できるかどうかを左右する、重要な性能です。

解像度の目安

カメラの画質は、一般的に「画素数」で表されます。現在の防犯カメラの主流は以下の通りです。

  • 200万画素(フルHD):
    • 現在の標準的な画質です。地上デジタル放送と同じくらいの解像度で、人物の顔や服装の特徴、車のナンバーなどを十分に識別できます。賃貸アパートの防犯カメラとしては、最低でもこのレベルは欲しいところです。
  • 400万画素〜800万画素(4K):
    • 非常に高精細な映像が記録できます。映像の一部を拡大(デジタルズーム)しても、画像が粗くなりにくいため、より詳細な分析が可能です。ここまで高画質なカメラが設置されていれば、セキュリティ意識が非常に高い物件と言えます。
  • 100万画素(HD)以下:
    • 数世代前のカメラで、画質は粗いです。全体的な状況は分かりますが、顔の細部や遠くのナンバープレートを正確に読み取るのは困難な場合があります。

内見時に画質を確認する方法

内見者が、録画映像を直接見ることはできません。そこで、不動産会社の担当者を通じて、間接的に情報を引き出すテクニックが有効です。

  • さりげなく質問する:
    • 「最近はカメラの性能も良いですよね。こちらのカメラは、結構はっきり映るタイプですか? 例えばフルHD(200万画素)くらいはあるんでしょうか?
    • このように、具体的な数値や専門用語(フルHD)を挙げて質問することで、相手は「この人は詳しいな」と感じ、より正確な情報を引き出しやすくなります。また、大家さんや管理会社が、設置したカメラの仕様をきちんと把握しているかのリトマス試験紙にもなります。
  • モニターを確認する:
    • もし管理人室があり、リアルタイムの映像がモニターに映し出されている場合は、その映像を直接見て画質を確認できる絶好のチャンスです。

画質は、外から見ただけでは判断が難しい部分です。だからこそ、内見時のコミュニケーションが重要になります。「画質は大丈夫ですか?」という漠然とした質問ではなく、少しだけ専門的な言葉を添えて質問することで、より深く、そして正確に物件のセキュリティレベルを探ることができるのです。

6. 死角はどこにある?建物周りを歩いて確認

どんなに高性能なカメラを多数設置しても、物理的な「死角」、つまりカメラの撮影範囲から外れたエリアが存在すると、そこがセキュリティの弱点となります。犯罪者は、この死角を巧みに利用して侵入を試みます。内見時には、部屋の中だけでなく、必ず建物全体の「死角」を探す視点を持つことが重要です。

死角になりやすい場所

以下の場所は、特に死角となりやすく、犯罪の温床になりやすいエリアです。

  • 建物の裏手・側面:
    • 人通りが少なく、目撃されにくいため、不審者が長時間潜むのに好都合な場所です。窓をこじ開けたり、壁をよじ登ったりする際の起点にもなります。
  • 植え込みや塀の影:
    • 身を隠すのに最適な場所です。特に、夜間は照明が当たりにくいことも多く、危険度が増します。
  • 廊下や階段の曲がり角:
    • カメラが直線しか映していない場合、曲がり角は完全な死角になります。
  • 駐車場・駐輪場の柱の影:
    • 車や柱の影は、車上荒らしや自転車盗難犯が身を隠しながら作業するのに利用されやすいです。

死角を確認する具体的な方法

  • 建物全体を一周する:
    • 内見が終わったら、不動産会社の担当者に「少し建物の周りを見てもいいですか?」と断りを入れ、自分の足で敷地内と建物の外周をぐるりと歩いてみましょう。
  • 犯罪者の視点でチェックする:
    • 「もし自分が不審者だったら、どこに隠れるか?」「どこを通ればカメラに映らずに建物に近づけるか?」という視点で周囲を観察します。
  • カメラの向きと画角を意識する:
    • 設置されているカメラが、どの方向を、どのくらいの範囲(画角)で映しているのかを想像してみます。「あのカメラだと、この裏手は映らないな」といった具体的な死角を発見できます。

死角を見つけたらどうするか?

  • もし、明らかに危険な死角(例:1階の窓のすぐ横に、身を隠せる大きな死角がある)を見つけた場合は、その物件を再検討する材料になります。
  • 逆に、そうした死角をなくすように、複数のカメラを効果的に配置したり、センサーライトを設置したりしている物件は、防犯設計がしっかりしている、信頼できる物件だと判断できます。

安全な物件とは、「死角がない物件」または「死角をなくす努力をしている物件」のことです。自分の目で歩き、確かめることで、図面や写真だけでは分からない、物件の本当のセキュリティレベルが見えてきます。

7. 「作動中」ステッカーの有無と管理意識

アパートの壁やエントランスに貼られている「防犯カメラ作動中」というステッカー。一見、小さなものですが、これはその物件のセキュリティレベルと管理意識を推し量る上で、意外と重要なチェックポイントとなります。

ステッカーが持つ2つの効果

  1. 犯罪者への威嚇・警告効果:
    • ステッカーは、「この建物は常に見張られているぞ」という明確なメッセージを犯罪企図者に発します。これにより、犯行を躊躇させ、ターゲットから外させる心理的な効果(抑止効果)が期待できます。カメラ本体とステッカーがセットになることで、威嚇効果は倍増します。
  2. プライバシーへの配慮と透明性の確保:
    • 法律やガイドラインでは、防犯カメラを設置する際、その存在と目的を利用者に「通知・公表」することが推奨されています。ステッカーは、この公表義務を果たすための最も簡単な手段です。ステッカーを貼ることで、「私たちはルールを守り、透明性を持ってカメラを運用しています」という、大家さんや管理会社の誠実な姿勢を示すことにも繋がります。

内見時のチェックポイント

  • 目立つ場所に貼られているか?:
    • エントランスの入り口、駐車場・駐輪場の出入り口、ゴミ捨て場など、外部の人の目にもつきやすい、効果的な場所に貼られているかを確認します。居住者しか見ないような廊下の奥にひっそりと貼られているだけでは、抑止効果は半減します。
  • ステッカーのデザインと状態:
    • 文字がかすれて読めなくなっていたり、剥がれかけていたりするのは、管理が長期間放置されているサインかもしれません。
    • 逆に、視認性の高いデザインのステッカーが、きれいな状態で複数箇所に貼られている場合は、管理会社が定期的に物件を巡回し、セキュリティにも気を配っている証拠と見ることができます。

たかがステッカー、されどステッカー。この小さな表示の有無と状態は、目に見えない「管理の質」や「セキュリティへの真剣度」を雄弁に物語っています。内見時には、こうした細部にも目を配ることで、より深く物件の本質を見抜くことができるのです。

8. 管理会社に質問すべき録画データの保存期間

防犯カメラがいくら鮮明な映像を記録しても、そのデータがすぐに消去されてしまっては、いざという時に役に立ちません。犯罪やトラブルが発生した後に、警察の捜査や原因究明に活用するためには、録画データがどのくらいの期間、保存されているのかが非常に重要になります。

なぜ保存期間が重要なのか?

  • 犯罪の発覚はリアルタイムとは限らない:
    • 自転車の盗難や車へのいたずらは、被害に気づくのが数日後、というケースも少なくありません。
    • 空き巣被害も、旅行や出張からの帰宅後に初めて発覚することがあります。
    • 被害に気づいてから通報しても、その時点の映像がすでに上書き消去されていては、証拠は何も残りません。

一般的な保存期間の目安

録画データの保存期間は、録画機器(レコーダー)のハードディスク容量によって決まります。一般的な賃貸アパートの場合、以下の期間が目安となります。

  • 短い: 1週間程度
  • 標準的: 2週間〜1ヶ月程度
  • 長い: 2ヶ月以上

セキュリティを重視するなら、最低でも2週間、できれば1ヶ月程度の保存期間があることが望ましいと言えます。

内見時に担当者に質問する方法

録画データの保存期間は、外から見てわかるものではありません。そこで、内見時に不動産会社の担当者へ、直接質問することが必要になります。

  • 質問の切り出し方:
    • 「万が一、自転車の盗難とかがあった時のために確認したいのですが…」と、具体的なシチュエーションを挙げて切り出すと、質問の意図が伝わりやすくなります。
  • 具体的な質問内容:
    • 「こちらの防犯カメラの録画データは、どのくらいの期間、保存される設定になっていますか?」
    • このシンプルな質問で十分です。
  • 回答から分かること:
    • 即答できる場合: 「大体1ヶ月くらいですね」などとすぐに答えられれば、管理会社が設備の仕様をきちんと把握し、管理体制が整っている可能性が高いです。
    • 「確認します」となる場合: すぐに答えられなくても、その場で管理会社に電話して確認してくれるなど、誠実な対応が見られれば問題ありません。
    • 「分かりません」と曖昧な場合: 担当者も管理会社も仕様を把握していない、ということになり、管理体制全体に不安が残ります。

録画データの保存期間は、「過去に遡って安全を確認できる期間」の長さを示します。この目に見えない部分について、しっかりと質問し、確認する姿勢が、真に安心できる物件を選ぶための重要なステップです。

9. プライバシーへの配慮はされているか

防犯カメラは、安全を守るための強力なツールであると同時に、一歩間違えれば居住者のプライバシーを侵害する諸刃の剣にもなり得ます。優れたセキュリティ体制とは、犯罪抑止とプライバシー保護のバランスが適切に保たれている状態を指します。内見時には、「守られているか」だけでなく、「不当に監視されていないか」という視点も持つことが大切です。

プライバシー侵害にあたる可能性のある設置例

  • 特定の部屋だけを狙い撃ち:
    • カメラが、明らかにあなたの入居を検討している部屋の玄関ドアやベランダ、窓だけをアップで映すような角度で設置されている。これは、個人の出入りや生活を監視する目的と見なされ、プライバシー侵害の可能性が非常に高いです。
  • 共用部の不必要な撮影:
    • 防犯上、特に必要性が高くないにもかかわらず、居住者のプライベートな行動が把握できてしまうような場所に設置されている。

内見時のチェックポイント

  • カメラの「画角」を意識する:
    • 自分が検討している部屋の前に立ち、そこに設置されているカメラが「どこからどこまでを映そうとしているのか」を意識して見てみましょう。
    • カメラは、廊下全体やエレベーターホールといった、不特定多数の人が利用する「空間」全体を広く映すのが基本です。特定の「個人」の行動を追うような設置の仕方は不適切です。
  • 自分の部屋からの視点:
    • 部屋の中から、窓や玄関ドアスコープを覗いてみてください。そこから見える位置にあるカメラが、室内を覗き込むような角度になっていないかを確認します。

管理会社への質問で確認する

プライバシーの保護は、物理的な設置だけでなく、録画データの運用ルールによっても担保されます。

  • 質問例:
    • 「録画された映像は、どのような場合に、誰が閲覧できるルールになっていますか?」
    • 模範的な回答: 「警察からの正式な要請があった場合や、事件・事故が発生した場合に、権限を持つ管理責任者のみが確認できる規則になっています。普段、私たちが興味本位で見ることは一切ありません」
    • このような明確なルールがあり、それを担当者がきちんと説明できるかどうかは、信頼性を判断する上で非常に重要です。

安全は重要ですが、それは日々の生活が不当に監視されることと引き換えであってはなりません。「守られつつも、尊重されている」。そのバランスが取れているかどうかを、自分の目と耳で確かめることが、心からリラックスできる住まいを見つけるための鍵となります。

10. 防犯カメラ以外のセキュリティ設備との連携

本当の意味で安全なアパートは、防犯カメラという「点」の防御に頼るのではなく、複数のセキュリティ設備が有機的に連携した「面」の防御、すなわち「多層防御」の考え方で設計されています。内見の最終段階では、防犯カメラを一つのパーツとして捉え、物件全体のセキュリティシステムが、いかに強固な連携を築いているかを確認しましょう。

理想的なセキュリティの連携(多層防御)

  • 第一の壁(敷地境界):
    • フェンスや塀: 不審者が容易に敷地内に侵入できないようになっているか。
    • 照明: 夜間に敷地内を明るく照らし、不審者が隠れる場所をなくしているか。
  • 第二の壁(共用玄関):
    • オートロック: 不特定多数の人物をシャットアウトする最初の関門。
    • 防犯カメラ(エントランス): オートロック周辺の人の出入りを記録し、「共連れ」などの不正侵入を監視・抑止する。
  • 第三の壁(共用部内部):
    • 防犯カメラ(エレベーター、廊下): 建物内に侵入した不審者の動きを追跡する。
    • 管理人: 「人の目」による監視と、いざという時の初期対応。
  • 第四の壁(自室玄関):
    • モニター付きインターホン: 来訪者を映像で確認し、最後の砦である玄関ドアを開けるかどうかの最終判断を下す。
    • 防犯性の高い鍵: ピッキングに強いディンプルキーや、侵入に時間をかけさせるダブルロック。

内見時の最終確認

これらの設備が、互いにどのように連携しているかをイメージしながら、もう一度物件全体を見渡してみましょう。

  • 「もし不審者が侵入しようとしたら、どの段階で、どの設備が機能するか?」をシミュレーションしてみます。
    • 例:エントランスのカメラに記録され、オートロックで阻まれ、万が一共連れしてもエレベーターのカメラに映り、最後はモニター付きインターホンとダブルロックで撃退する…といったストーリーが描けるか。
  • 設備のバランスは取れているか?:
    • 防犯カメラは多数あるのに、玄関の鍵がピッキングに弱い古いタイプだったり、オートロックがないのにカメラだけが付いていたり、といったアンバランスな状態は、防犯設計への理解が不十分である可能性があります。

防犯カメラは、あくまで総合的なセキュリティシステムを構成する重要な一要素です。一つの設備だけに注目するのではなく、これらの設備がどのように連携し、侵入者に対して何重もの「壁」として機能しているかを見極めること。その「総合力」を評価する視点こそが、見せかけの安心感に騙されず、真に安全な住まいを選ぶための最終的な鍵となるのです。